Hinaの海外奮闘記

2023年秋からリトアニアで博士課程留学中。2023年にイギリスの修士課程終了済。

イギリス大学院で単位落として留年して卒業後ビザ取れなかった話

はじめに

こんにちは、今年イギリスの修士課程を修了したHinaです。

 

イギリスの修士課程を修了すると、Graduate Route Visa、いわゆる卒業後ビザというものがもらえ、修士だと2年、博士だと3年間、イギリス内でスポンサーなしで就業できるビザが発行されます。

このスポンサーなしというのがかなり魅力的で、普通はスポンサーとなってくれる会社を見つけないと就業できません。これを1つの理由にイギリス留学する人も多いのでは?

私もその一人でした。卒業後は現地就職したかったです。

しかし、大学の単位を落としたことでその夢叶わず。

ネットで私のように単位落としてビザが取れなかった方は見たことないので、こりゃいいネタと思って…。底辺学生だとこんなことあるんですよ〜という留学のリアルです。

と同時に夢潰えても別の夢掴んで今新たなスタートを切ったので、暗い話というよりは、こんなこともあるよ&万が一のときはこんなパターンですよ、ということをシェアできれば。

 

ちなみに私は2021年入学で2022年9月卒業のはずでしたが、2023年6月卒業扱いになってます。そのためこのページの情報は2022年時点の情報かつ個人的経験ですので、ご自身で手続きされる際は最新の情報をご確認ください。

 

 

いきさつ

①単位落とした

ことのはじまりは、私が単位を2つ落としたこと。

私のコースのテストは1年間で7つのモジュールに分かれいました。全ての授業が必修でした。

1つのモジュール1ヶ月分の中で、毎日毎回違う先生が授業をし、その期間の授業全てが1つのモジュールのテストになる形です。つまり、同じテストでも問題ごとに全く違う先生の違う授業から出ます。

エッセイ50%、テスト50%の割合で点数がつきますが、エッセイの採点はかなり厳しくて点を稼ぐどころか単位を取ることで精一杯でした。

他の人の話を聞いていると、エッセイの%はもっと割合高いところが多いそうですね。

 

テストは全ての回答が記述式でした。コンピューターテスト1時間分で、だいたい20〜30問くらい。記述式のテストにも英語での入力にもなれていない私には、正直テストで考えている時間はなく、タイムアタックをしている気分でした。

その中の2 つが、どうしても無理で単位を落としてしまいました。ちなみにクラスの1/5は落としてました。難しいというより、何を答えてほしいのかよくわからない問題が多く、成績優秀者の子でさえあまり点数が取れていなかったほど「奇妙な」問題でした。

ちなみに私のコースは私以外ほぼネイティブ、8割イギリス人なので、英語力が特段低いコースとかではありません。

そして、テストの結果とエッセイの総合評価で、私は2モジュール分単位を落としました。

1モジュール分だけなら卒業できますが、私は単位を2つ落としましたので、留年が確定しました。

 

ちなみになんですが、私のコース、あまりに点数取るのが難しくて、最終的な点数評価は

Fail(40~49点)、Pass (50-64点)、Merit(65-74点)、Distinction(75点以上)でした。

普通は50点代Pass、60点代Meritと10点代刻みで移行しますが、こうしてみるとPassの範囲があまりに広く、Meritからはかなり点数取りづらいことがわかるかと思います。ちなみに成績優秀者で表彰された友達も、確か総合点73点でした。かなり厳しいコースです。

 

②学生側の抗議

落ちた人数が人数なことと、試験問題が変だったことから、生徒側は抗議しました。コースの代表(represent, 日本のクラス委員のような生徒)がいたので、コースメイト全員の署名で、正式なメールでコース側に抗議しました。テストがあったのはイースター休暇前で、結果はイースター休暇中に出て、抗議はイースター休暇明けのことなので2022年4月ごろの話です。

コース側の回答としては、「6月まで待て」とのことでした。

なぜ6月かというと、私の学校は毎年6月のみExam Boardという先生方により成績審議会(?)(日本の教授会のようなもの?)があり、もしテスト問題が不適切だったり、大勢が落とすような試験はそこで点数が考慮されるシステムだからです。

そのため、この時点では6月まで待つしかありませんでした。

 

ちなみに、コースではグループごとにディスカッションをする授業があり、その時のスーパーバイザーをしてくれる担当者は、博士課程の学生だったり研究所の研究者だったりと様々です。そのうちに一人、このコースでその担当をして20年以上という先生に成績が不安といことについて聞いたら、「今まで単位落として留年した人見たことないわよ〜。1人いたけど入院するレベルの健康上の問題で、自主退学したし」とのことでした。

のちにこの発言は全くあてにならにことが判明します。

 

③コース側の対応

6月の審議会を経て出た結果は、「テスト点数の底上げなし」

つまり私を含め、クラスの1/5は留年が決まりました。

これにはがっかりしました。

話を聞くと、他の大学では救済措置としてエッセイの再提出や再テスト(Re-sit)で単位を与えることが多いそうなのでコースに問い合わせました。しかし、再テストは12月(つまり私が落としたテストを1つ下の学年と一緒に受ける)で、その結果で正式な卒業決定は来年2023年の6月の審議会、それ以外はないとのことでした。

 

④Graduate Route Visaへの影響

ここで困るのがGraduate Route Visaへの影響です。2022年の時点では、Graduate Route Visaは、「学生ビザが有効なうちに、イギリス国内から申請しなければならない」とのことでした。

私のコースは9月に修了、私のビザは11月に切れるので、12月の試験を受け、1月に仮卒業が決まってからビザを申請したら間に合いません。

 

そこで学生課の試験担当に「留年してしまうので学生ビザの延長はできないか」と頼みましたが、「あなたは授業を受ける必要はなく、オンライン試験を受けるだけなので、日本に帰って試験を受けなさい。ビザは延長できません」と言われました。

実はGraduate Route Visaは、最終的には大学側からの申請も必要なので、ここで大学側から切られてしまうと私にはどうしようもありません。

 

このことを友人に相談してみると、去年別の大学の人で「ビザ申請を学生ビザの期間中にして、でもテスト結果が遅れるということを大学側から政府に伝えてもらって、Graduate Route Visaのプロセスを一度止めてもらってて、その間の数ヶ月でテストに合格してビザ取れた人がいる」と聞きました。しかし、このやり方も学生課に拒否されました。

 

⑤せめて成績開示を…

もう就職は諦めて、次回のためにもせめてテストの模範回答や私のスコアを知りたいと思いました。私のコースメートはそうしてもらっていたので。

私たちのコースは、5〜6人ごとにチューターという、担任ではないですが、困ったことがあれば相談できる制度があります、しかし、私のチューターが曲者で。メールの返信はほぼなく、面倒くさがって全く助けてくれませんでした。

テストのスコアの開示はコースで決められている私たちの権利で、他の生徒もしてもらっているのに、彼女は何度頼んでもしてくれませんでした。しかたがなく、コース長にもかけ合いましたが、「担当のチューターでないと無理」と言われてしまい…。

これが留学の現実でっせ!!イギリスほんと全部たらい回しなんだからさ(主語誇大)。ほんと高額な授業料返してくれ。

 

結局、仲良しのコースメイトの子(その子は結局成績優秀者だった)に模範回答らしきものをもらえたのでなんとか助かりました。

 

奨学金どうしよう!?

私、留学に際し、授業料・生活費・航空代が支給される給付式奨学金をいただいてました。単位を落としたことで奨学生の資格が剥奪され、全て返さなければならないかドキドキでした。すぐ財団に相談したところ、ありがたくも当初の予定通り9月まで支給、単位が取れて卒業が決まり次第卒業証書を送ってほしいということだけでした。よかったです。

 

⑦その後の展開

で、結局どうにもならず、ビザが切れるのでコース終了後1ヶ月ほどヨーロッパをウロウロしてから2022年10月に日本に帰国し、12月に試験を受けて、今年2023年1月に合格スコアなことが判明、6月に卒業が確定しました。

日本とイギリスの時差があったので、私だけ時差を考慮してもらえました。ちなみに今年は普通の問題でした。やっぱり私たちの時おかしかったんじゃん(怒)

私の学校は7月に大学院も学部も卒業式なので、7月にはイギリスの卒業式にも出席し、コースメートとも再会してきました。なんとか最後は帳尻があったのでよかったです。

 

さいごに

とまあここまで底辺学生のとんでも体験でしたが、こんなこともあるんだよ、くらいに思ってもらえれば。同じ大学でも、別のコースの友人は9月に再試があり普通に卒業してGraduate Route Visaを使っています。私のコースがかなり留学生に厳しかったようですので、全員が同じ目にはならないと思います。

 

ただ私はまだいいですが、例えばイラン人の友人(女性)は政情不安で母国に帰れず、イギリスで院を出て、就職して、国から逃げるため、人生変えるために来ていました。そういった人たちの思いを踏みにじるような対応、コースで明言されている権利も与えられない対応は、大学として本当にどうかと思います。

もしかしたら、このように留学生に厳しい対応は、英語の要求が高い(IELSTS7.0以上、救済措置のプリセッショナルコースなし)ことや、私のコースの講師たちが、大学の所属というより、様々な研究機関の研究者を呼んで講義するハイブリット式なせいで、誰か一人の先生が対応してくれようとしても、組織の構造上別機関となり難しい(授業はそれぞれの研究者が作るが、試験のタイミング等は学生課が管轄していて連携がとれていない)ことにも起因するかもしれないと分析しています。

ただ、今となっては、ビザがとれなくてよかったとも思っています。実は日本に帰国してから、謎の体調不良で数ヶ月間ずっと寝込んでいたので、あのままイギリスに残っていたら就活どころか生活もかなり厳しかったと思います。

また、実はコースの途中で海外博士過程に興味が出ました。偶然ですが、傷心のままヨーロッパ放浪していたときに研究室見学させていただいたところで、この秋からお世話になります。

あのとき帰国することになり、浮いたお金で放浪してなかったら、この道はなかったと思うので、結局はこれでよかったんだと思います。選考の際に研究室見学していた事実がかなり効いたと思っているで。

(博士課程のポジションゲットの話↓ 時系列的にはこの記事の話の続きになります)

hina-survival.hatenablog.com

結局ビザは取れませんでしたが、色んな人が助けてくれました。知り合いの知り合いみたいな人まで。友人たちもたくさん助けてくれて、より仲良くなれました。

帰国してからも、それぞれの国で頑張って、たまには皆でテレビ電話しながら再試にむけて頑張ったこと、今ではいい思い出です。

Twitterの皆さんにも、ご親切にもたくさん助けていただきました。アドバイスありがとうございました。

 

留学をしていたら、予想もしないトラブルがあるし、それを自分では直接解決できないこともあります。それはしょうがないです、あなたのせいではありません。

上手くいかなくても、それで全ての道が閉ざされてしまうことはありません。また、別の道でもっと輝けることがあるかもしれません。トラブったからこそ見える世界があります。

単位落としたやばい奴もいて、でも今楽しく暮らしてることを思い出していただけたら幸いです。

 

まとめ ~単位落とした時にできる対処法~

私は全てダメでしたが、まあ普通は何らかの方法は効くのでは?落とさないことが1番ですけどね!

①生徒側の意見を集めて集団で抗議

②再試、エッセイ提出で交渉

③Graduate Route Visaの申請を少し待ってもらう、一言添えてもらう

 

知っ得) とりあえず言ってみたもん勝ちなとこあるので、メール・抗議しまくりましょう。周囲の人にも相談。メール文は丁寧ながらもUrgernt、個人名名指し対応で。ダメなら上の立場の人にも抗議・ccつけで。上の人名指しで使うほど強いです。

 

お読みいただきありがとうございました。

こういう話聞きたいとかありましたらブログのネタにしますのでコメントなりTwitterなりで教えていただけますと幸いです。